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挑戦できるフィールド

日本のものづくりを復活させたい!
社運をかけて挑んだ国産ナットの開発

これまで輸入に頼っていたナットを国産化し、日本の技術力で圧倒的なクオリティと安定供給をかなえたい。
そんな情熱に突き動かされ、さまざまな困難を乗り越えていった挑戦の軌跡をご紹介します。

インタービュー

インタービュー

日本からナットが消える!?
喫緊の事態に白羽の矢が立った東豊工業

管理本部 副本部長 小栗
管理本部 副本部長 小栗

はじまりは、とあるお客さまからの悩み相談。
ナットを取り引きしているサプライヤーさんとの間に、納期遅延や急な値上げ、品質低下などのトラブルが生じているというのです。実は、日本に流通しているナットのほとんどは海外製。そのサプライヤーさんも海外メーカーが製造を行っていましたが、新型コロナウイルスや海外紛争の影響により部品の調達が滞り、納品できないという事態が発生していたのです。当時は自動車用アフターマーケット業界全体がそんな状態でした。
そこで代わりのサプライヤーを探していたお客さまの目にとまったのが、バランスウェイトの取引で品質やレスポンスのスピード感に定評のあった当社。「ナット開発に挑戦してみませんか?」とお声がかかったんです。

「絶対にやるぞ!」社長の熱意に動かされ、プロジェクトが本格始動

ナットを開発するにあたっては、まず「本当にやるんですか?」という議論がありました。というのも、設備投資に莫大なコストがかかるんです。これまで当社がもっていた設備の中で一番高いのが、バランスウェイトを塗装する機械。億ごえの機械ですが、今回のナットは一部の機械だけで軽くその倍を超えてしまう。
しかも、機械を導入するのに1年半から2年かかるため、開発が可能かどうか事前にテストすることもできません。また、無事に開発できたとしても確実に売れる保証なんてないのです。私としては不安があったのですが、この話を聞いた社長は「絶対にやるぞ!」と即決。それもメイド・イン・ジャパンでつくると決意を固めていました。私たち社員も「日本のものづくりをもう一度復活させよう」という社長の熱意に共感し、全員が一つになって国産ナットの開発に向けて動き出していったんです。

管理本部 副本部長 小栗

ゼロから開発に挑戦し、
常識をくつがえす国産ナットが誕生

  • 製品開発室 製品開発グループ GM 蓑島

    製品開発室 製品開発グループ GM 蓑島

    これまで私たちが手がけてきた製品とナットはまったくの別物。
    ナットをつくるぞ!と言っても、その技術やノウハウがあるわけではありませんでした。また、ナットの世界では、亜鉛クロメートメッキという処理を施すのが当たり前なのですが、それを日本でやろうとするとコストがまったく合わず採算がとれない。
    さらには、どうしても同じような処理や形になってしまうなかで、どうやって東豊工業らしい特徴を出していくか。そこが悩みどころでした。

  • 製品開発室 製品開発グループ GM 蓑島

    検討していくなかで、とあるメーカーさんから耐食性に優れたメッキの処理があると聞いたんです。
    これなら低コストでサビに強いナットができる!と、これまでにはないアプローチで開発を進めることになりました。
    さらに、ナットには笠があるもの、ないものと両方あるのですが、解析した結果、笠がないナットは工具で締め込む際にホイール側が削れてしまったり、底づきしてしまったり、いろいろな問題があることがわかりました。そこで、私たちは世の中にはまだない笠つきの21ミリのナットをつくることに決めたんです。

  • 製品開発室 製品開発グループ GM 蓑島

    現行のナットと比較しながら手探りで開発がスタートしたものの、「ナットがゆるむ」という大きな壁にぶつかってしまいます。なぜゆるむのか。他のメーカーとは何が違うのか。ゆるみの試験のために、当社から遠く離れた栃木県の評価試験場まで 何度も通いました。そもそも、製品企画も試験規格もなかったので、合格と呼べる基準も誰もわかっていない状態。
    世の中に出回っているナットを切断したり、形状を分析したり、試行錯誤の日々を続けて、7回目の試験でようやく全員が納得できるものが仕上がったんです。

日本から世界へ広がれ!
私たちの挑戦はまだまだ続く

今はちょうど量産化に向けてラインを整備し、監査を受けているところです。お客さまにも見ていただいて、品質にも問題ないとお墨付きをいただきました。製造、生産技術 、品質管理、全員で頑張ってやってきたことが認められて非常にうれしいですね。
今後このナットが市場に流れて、実際に取り付けた車が走り出すのを目にすれば、また感慨深い気持ちになると思います。今は一番売れ筋のものしかつくっていないので、今後はバリエーションも増やして、商品力を上げていきたいと思っています。そうやって日本の市場で認知を拡大していったあとは、さらにグローバル展開もしていきたい。
アフターマーケットの実績で認められれば、自動車メーカーさんにも提案していけるでしょうし、これからもどんどん挑戦を続けていきたいですね。

製品開発室 室長 山口
製品開発室 室長 山口

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